肉色の淡いこと,保水性結着性の悪いこと,筋肉組織が軟弱で弾力を失っていることなど,肉製造に際して加工特性がきわめて悪い肉のことで,PSE(pale soft exudative)肉,ふけ肉ともいわれる。豚肉とくにそのロース肉やもも肉に多発する。この肉は,と殺直後は一見正常であるが,死後硬直(10~24時間)後に発現する。むれ肉の発生は,産肉性が高く飼料要求が少ないブタの品種をつくり出すことに専念した結果,ストレスに対して感受性の高いブタが多くなったことに起因する。すなわちストレスにより,と殺後の筋肉の解糖作用が異常に速く進行し,乳酸が急激に蓄積されるのでpHも急激に低下するため筋タンパク質に変性が起こって発生すると考えられている。むれ肉の防止対策としては,(1)ストレスに対する感受性と産肉性は遺伝的な要因が多いので,産肉性は多少犠牲にしても,ストレスに抵抗する品種・系統をつくり出す,(2)ブタは高温に対してストレスを起こしやすいので,一度にあまりたくさん輸送しないようにして,高温や喧騒を起こさせないようにする,(3)輸送前に水を十分飲ませる,(4)と畜場での安静を図り,と殺の方法を改良してストレスを起こさせないようにする,ことなどが考えられている。と殺後1時間のpHの値の異常に低いもの,すなわちpH5.8以下のものは肉製造の原料肉として使用しないほうがよい。
執筆者:森田 重広
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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