ムワタリシュ(その他表記)Muwatallish

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムワタリシュ」の意味・わかりやすい解説

ムワタリシュ
Muwatallish

ヒッタイト新王国時代の王 (在位前 1315頃~1282頃) 。ムルシリシュ2世の子。即位臣下動乱もなく平穏に行われたが,シリア支配を目指す新興エジプトパレスチナを再征服し,ヒッタイトの国境であるオロンテス川の線にまで進出してきた。そのため前 1299年オロンテス川沿岸のカデシュ両者による大会戦が行われ,エジプトのラムセス2世は大勝利を宣言したが,勝敗は事実上決しなかった。この間,弟のハットゥシリシュは北でガシュガシュ族と戦っていたが,叛意をいだいていたらしい。ムワタリシュの死後反乱を起し,その庶子から王位を奪った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android