改訂新版 世界大百科事典 「メガラヤ」の意味・わかりやすい解説
メガラヤ[州]
Meghalaya
インド北東部の州。面積2万2429km2,人口232万(2001)。州都はシロン。標高1300~1800mのシロン高原と総称されるガーロ,カーシ,ジャインティアの3丘陵が西から東に並び,ほぼ全域が森林に覆われた山地帯からなる。シロン高原はデカン高原から分離,孤立したもので,同高原と同じ先カンブリア時代のケイ岩,ケツ岩などを基盤としている。南のベンガル平原に向けて急崖をなすため,そこに夏の南西モンスーンが吹きつけ多量の雨をもたらす。世界最多年降水量観測地の一つチェラプンジは南斜面に位置し,州名はサンスクリットで〈雲のすみか〉を意味する。住民はアウストロアジア語族のモン・クメール語派に属する言語を話すカーシ族とジャインティア族,シナ・チベット語族のチベット・ビルマ語派に属する言語を話すガーロ族を主とし,おのおの前記3丘陵をすみ分けている。彼らは農耕を主とし,米,雑穀,トウモロコシ,ジャガイモをおもに栽培する。焼畑農業への依存度は大きい。オレンジなどの果樹園も拡大しつつある。石炭,ケイ線石(世界最良質とされる),長石,磁土,ボーキサイトなどの鉱産資源を豊富に埋蔵するが未開発。工業はセメント,製材などにすぎない。英領時代には東半分は藩王国,西半分はアッサム州に分かれていたが,インド独立後はアッサム州に編入され,1972年州として自立した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報