カーシ族(読み)カーシぞく(英語表記)Khāsi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーシ族」の意味・わかりやすい解説

カーシ族
カーシぞく
Khāsi

インド,アッサム西部の住民。言語はモン=クメール語族に属し,形質的には古モンゴロイドである。人口約 80万と推定される。イネトウモロコシアワワタなどの焼畑耕作を営み,低地では水稲栽培も行う。首長制をもち,王族,貴族,平民の階層分化がみられる。母系外婚氏族をもち,妻方居住婚が行われる。末女相続も行われるが,首長の地位は長女の長男に継承され,政治と財産の管理は男子によって執行される。祖先崇拝が発達していたが,他の制度と同様にキリスト教の浸透とともに変化している。居住地はアッサムにおける巨石文化の中心地でメンヒルドルメン,石壇が存在し,牛の供犠が行われる。この巨石文化はアッサムのナーガ族ムンダ諸族とも深い関係がある。

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