セントオールバンズ(英語表記)Saint Albans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントオールバンズ」の意味・わかりやすい解説

セントオールバンズ
Saint Albans

イギリスイングランド南東部,ハーフォードシャー県西部の都市。セントオールバンズ地区を構成する。ロンドン北西約 32km,テムズ川支流のコーン川とベア川の合流点に位置する。初期の集落は前1世紀ベア川の西岸ベルガエ人によってつくられ,ローマ時代にはここにウェルラミウムの町が建設された。キリスト教に改宗したため 304年頃ベア川東岸の丘で殺されたローマ人が,のち聖オールバンズと呼ばれ,イギリス最初の殉教者となり,市名の起源となった。8世紀にマーシア王国オッファ王が聖オールバンズの遺骨を発見し,殉教の丘に修道院を建築したといわれ,中世に修道院を中心に発展,1213年にはここでマグナ・カルタの最初の草案が読みあげられた。バラ戦争では 1455,1461年の 2度にわたって戦場となり,17世紀半ばの清教徒革命の際にはエセックス伯の率いる議会派軍の本拠地となった。15世紀末イギリス最初の印刷所の一つが設立されて以来,印刷業が重要な産業となっている。ほかに電機,楽器,衣料などの工業があり,周辺では園芸が盛ん。ロンドンの郊外住宅地となっている。地区面積 161km2。地区人口 13万2200(2004推計)。都市人口 8万2429(2001)

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改訂新版 世界大百科事典 「セントオールバンズ」の意味・わかりやすい解説

セント・オールバンズ
Saint Albans

イギリス,ロンドンの北郊,ハーフォードシャーの都市。人口11万4710(2001)。ローマ都市ウェルラミウムVerulamiumの廃墟そばの丘陵上に位置する。初期キリスト教伝道者オールバンの殉教の地としてこの名があり,セント・オールバンズ大聖堂の所在地。アングロ・サクソン時代から中世にかけて政治的・宗教的都市として重要で,大修道院は多くの学僧を輩出した。1381年ワット・タイラーの乱のとき農民襲撃を受け,ばら戦争に際しては1455年,61年の2度戦場となった。現在は印刷業がおもな産業で,地方的商業の一中心である。
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