メタキセニア(その他表記)metaxenia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メタキセニア」の意味・わかりやすい解説

メタキセニア
metaxenia

果実の種皮や果皮,すなわち母親に由来する組織に,受粉した花粉 (父方) の遺伝子の影響がただちに形質として現れる現象。 1928年 W.スウィングルが,ナツメヤシで果実の大きさや熟期が受精に用いた花粉の種類によって支配されることを知り,これを胚乳にこうした影響が現れるキセニアと区別して,メタキセニアと命名した。この現象は,ワタ,リンゴ,カシなどでもみられ,胚や胚乳からホルモン様物質が分泌されて,種皮や果皮に雄親の影響を与えると考えられているが,確証はない。

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世界大百科事典(旧版)内のメタキセニアの言及

【キセニア】より

…これは内胚乳の貯蔵デンプンの化学的組成をきめるうるち性遺伝子(Wx)がもち性のそれ(wx)に対して優性であるため,2個の極核(おのおのの遺伝子型wx)と1個の雄核(遺伝子型Wx)の受精によって生じた内胚乳(遺伝子型Wxwxwx)に直ちに優性形質のうるち性が発現するためである。なお胚乳以外の組織に雄親の影響が現れる場合はメタキセニアと呼んで区別される。【阪本 寧男】。…

※「メタキセニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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