めりはり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「めりはり」の意味・わかりやすい解説

めりはり
めりはり / 減張
乙張

日本の伝統的な音に関する用語。「める」は「めいる」「ゆるむ」の意、「はる」は「張る」の意味からきており、音を低めまたは弱めに発したり、高めまたは強めに発する技術。歌舞伎(かぶき)では、とくに台詞(せりふ)の言い回し方の強弱高低伸縮などの技術をさす。歌舞伎にあっては、俳優の台詞術が重要な要素である。とくに様式化された美しい台詞回しの楽しさを与える「つらね」「厄払(やくはら)い」などでは、めりはりを重んじている。台詞に限らず、下座(げざ)音楽に関しても、その抑揚をいうときに、この語を使う例がある。

服部幸雄

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android