抑揚(読み)ヨクヨウ

デジタル大辞泉 「抑揚」の意味・読み・例文・類語

よく‐よう〔‐ヤウ〕【抑揚】

話すときの音声文章などで、調子を上げたり下げたりすること。イントネーション。「抑揚をつけて話す」「抑揚のある文」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「抑揚」の意味・読み・例文・類語

よく‐よう‥ヤウ【抑揚】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おさえたりあげたりすること。話す時や音楽、文章などで、調子を上げたり下げたりすること。高低起伏。イントネーション。
    1. [初出の実例]「又起伏照応抑揚(ヨクヤウ)転換等の法則ありて」(出典:授業編(1783)六)
    2. 「三木さんはのんびりした物の云い方をする人である。〈略〉四国の生れたところの抑揚(ヨクヨウ)が残っているのだろう」(出典:二人の友(1960)〈庄野潤三〉三)
    3. [その他の文献]〔成公綏‐嘯賦〕
  3. けなしたりほめたりすること。
    1. [初出の実例]「或有衆生、聞前維摩教抑揚之言、則執理惑教曰」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. 「たがひに抑揚褒あれば、いづれをさみし、いづれを以てなすべき事にもあらざるか」(出典:正徹物語(1448‐50頃)上)
  4. 持ちあげて、投げ落とすこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  5. 時勢に合わせて行動すること。浮沈。〔後漢書‐后紀上・光武郭皇后論〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「抑揚」の読み・字形・画数・意味

【抑揚】よくよう(やう)

高下。褒貶。〔西京雑記、四〕司馬を發して記百三十卷を作る。~其の屈原賈誼を序するにんで、辭旨抑揚あり。悲しみて傷(やぶ)らず。亦た代の才なり。

字通「抑」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の抑揚の言及

【イントネーション】より

…文全体あるいはその一部分にかかわる音声的特徴で,その言語社会において習慣的に定まっている状態のものをいう。日本語では抑揚ともいう。主として高さの変動がその実質をなしている。…

※「抑揚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android