メルスマン(読み)めるすまん(その他表記)Hans Mersmann

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メルスマン」の意味・わかりやすい解説

メルスマン
めるすまん
Hans Mersmann
(1891―1971)

ドイツの音楽学者、評論家。ポツダム生まれ。ミュンヘンライプツィヒベルリンで音楽研究法や実践を学び、生涯を通じて実践に深く裏づけられた理論的かつ歴史的考察を蓄積した。音楽が垂直(和声)・水平(旋律)の次元で諸音の間に力関係を生み出すことによって芸術作品としての成立基盤を獲得することを説き、エネルギー説の音楽美学者として名をなした。民謡の研究や音楽雑誌主宰などでも功績を残した。主著は『応用音楽美学』(1926)、『音楽聴』(1952)。ナチス台頭時代は公職から離れたが、第二次世界大戦後はケルン高等音楽学校の校長を務め、同地に没した。

山口 修]

『野村良雄・原田義人訳『西洋音楽史』全二冊(1970・みすず書房)』『野村良雄訳『メルスマン/ベートーヴェン』(1970・音楽之友社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メルスマン」の意味・わかりやすい解説

メルスマン
Mersmann, Hans

[生]1891.10.6. ポツダム
[没]1971.6.24. ケルン
ドイツの音楽学者。ミュンヘン大学で A.ザントベルガーに,ベルリン大学で A.クレッチマーに音楽学を学び,1914年学位を取得。 21年ベルリン工科大学講師,26年同大学教授。 24~33年雑誌『メロス』の編集にたずさわったが,33年ナチスに追われた。第2次世界大戦後 46~47年ミュンヘン音楽大学教授,47~57年ケルン音楽大学学長,53年ユネスコの国際音楽協議会のドイツ支部長をつとめ,57年武蔵野音楽大学の招きで来日。主著『応用音楽美学』 Angewandte Musikästhetik (1926) ,『西洋音楽史』 Musikgeschichte in der abendländischen Kultur (55) 。

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