メンデリソン(読み)めんでりそん(その他表記)Лев Абрамович Мендельсон/Lev Abramovich Mendel'son

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メンデリソン」の意味・わかりやすい解説

メンデリソン
めんでりそん
Лев Абрамович Мендельсон/Lev Abramovich Mendel'son
(1899―1962)

ソ連の経済学者。産業恐慌歴史理論の研究で知られている。1918年ロシア革命のなかで共産党に入り、兵士として反革命軍と戦う。第二次世界大戦時にも前線軍務についた。内戦終息後、ゴスプラン経済研究所で研究活動を始め、その死に至るまで世界経済世界政治研究所、世界経済国際関係研究所にあって資本主義経済の再生産、恐慌循環の問題について研究を続けた。主著『恐慌の理論と歴史』全3巻(1959~64)は、1825年の最初の循環性恐慌から第一次大戦後の1920年恐慌まで11の循環を摘出して分析しており、バルガトラハテンベルグの研究とともにマルクス経済学の恐慌史研究の貴重な文献となっている。その研究の特徴は、それぞれの恐慌の個別的特殊性とともにその統一的同一性を明らかにし、世界的な統一循環として資本主義経済の循環的発展を叙述している点にある。ほかにバルガとの共著帝国主義論にかんする戦後の新資料――統計的評注』(1936)がある。

[名和献三]

『堀江邑一訳『帝国主義論にかんする戦後の新資料』(1954・大月書店)』『飯田貫一他訳『恐慌の理論と歴史』正続6分冊(1960~67・青木書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メンデリソン」の意味・わかりやすい解説

メンデリソン
Mendel'son, Lev Abramovich

[生]1899
[没]1962
ソ連の経済学者。ロシア革命中に共産党へ入党,1920年志願兵として反革命軍と戦い,内戦終了後赤色教授学院卒業。ゴスプラン経済研究所,世界経済世界政治研究所で研究に従事。第2次世界大戦に従軍,戦後は世界経済国際関係研究所などで研究活動に従事。研究の中心は戦前戦後を通じて恐慌問題にあり,主著『恐慌の理論と歴史』 Teoriya i istoriya ekonomiyaeskikh krizisov i tsiklov (1959) はイギリス,アメリカ,ドイツ,フランスなどの経済発展に関する資料に基づく研究で,マルクス主義恐慌論の発展に貢献。ほかに E. S.バルガ,E. L.フメリニツカヤとの共編『帝国主義論にかんする戦後の新資料』 Novye materialy k rabote V. I. Lenina `Imperializm,kak vysshaya stadiya kapitalizma' (34) などがある。

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