モスクワ州(読み)モスクワ(その他表記)Moskva

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モスクワ州」の意味・わかりやすい解説

モスクワ〔州〕
モスクワ
Moskva

ロシア西部の州。中心都市モスクワ東ヨーロッパ平原中部にあり,平地が多いが,北西部に終堆石からなるモスクワ丘陵,南端部に中央ロシア高地がある。全域がボルガ川流域に属し,オカ川モスクワ川クリャジマ川などが流れる。大陸性気候で,1月の平均気温-10℃,7月は 18℃。年降水量は 450~660mmで,夏季に多く降る。針葉樹林,混合樹林地帯に入り,州域の約 40%が森林に覆われる。都市化の進んだ地域で,住民の 90%以上がモスクワを中心とする大都市圏に集中している。中央工業地帯の中核をなし,繊維 (人造繊維,絹・綿・毛織物,縫製) ,機械 (精密,運輸,農業,工作,電機,各種生産設備) ,化学 (肥料,プラスチック,合繊) ,食品,ガラス,セメント,家具,製靴など各種工業が発達し,ロシアの先進的な技術開発地域になっている。ポドモスクワ炭田地帯に入る南部で褐炭が採掘されるが,州のエネルギー源は北カフカスサラトフからパイプラインで送られる天然ガスや,ボルガ川の水力発電所からの送電に大きく依存している。農業部門の中心は近郊農業で,野菜,ジャガイモなどの栽培,酪農,養豚が盛んである。州内交通も発達し,11本の幹線鉄道がモスクワに集まるとともに,電化された郊外鉄道網が密で,舗装された自動車道路網も発達している。またオカ川,モスクワ川,モスクワ運河を経て,黒海バルト海白海カスピ海へ連絡できる。面積 4万7000km2。人口 662万8107 (モスクワ市を除く,2006推計) 。

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