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送電 そうでんpower transmission

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

送電
そうでん
power transmission

発電所から需要地付近の配電用変電所まで電力輸送すること。直流送電方式と交流送電方式とに大別できるが,ほとんどが三相交流送電方式である。交流送電方式では,電圧昇降変圧器によって簡単かつ効率よく行われるので,高電圧の採用によって長距離,大容量送電時の送電損失を軽減することができる。送電電圧は送電電力や送電距離などから種々の電圧が採用されているが,現在日本では,500kV,275kV (220kV) ,154kV (110kV) ,66kV (77kV) などが標準電圧としてよく使われている。近年,サイリスタを使用した交直変換装置の発達と信頼性の向上に伴い,大電力の長距離送電やケーブルによる送電などの場合に対する直流送電の有利性が認識され,世界各所で直流設備が増加しつつある。日本では,50Hz系統と 60Hz系統の異周波系統間の連系設備として,佐久間および新信濃周波数変換所がある。

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百科事典マイペディアの解説

送電【そうでん】

発電所から消費地付近の変電所までの電力の輸送をいい送電線により送られる。一般に電圧の昇降に容易な交流方式が用いられ,関東以北は50Hz,中部以西は60Hzに大別される。

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世界大百科事典 第2版の解説

そうでん【送電】

電気エネルギー,すなわち電力を送ること。電力輸送ともいう。配電と区別する場合は発電所から需要者と直結している配電用変電所までの範囲をいう。交流を用いる場合を交流送電,直流の場合を直流送電という。交流送電は通常三相交流を用い,送電電圧によって超高圧送電,UHV送電などと呼ばれる。
[歴史]
 電気がエネルギーとして最初に実用化されたのはアーク灯であった。日本でもアーク灯がW.E.エアトンによって最初にともされた1878年3月25日を記念して,3月25日を電気記念日としている。

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大辞林 第三版の解説

そうでん【送電】

( 名 ) スル
発電所で発生した大電力を送電線を通して変電所まで送ること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

送電
そうでん

発電所で発生する電力を、工場や一般家庭などの需要家に輸送することをいう。[内田直之]

電流・電圧

発電所の発電機の発生する電圧はおおむね10キロ~20キロボルトである。機器の経済設計、安全性などを考慮すると、この程度の電圧が好ましい。発電機の出力は、解析技術の開発、製造技術の進歩などにより逐次大型化し、2012年(平成24)時点で最大のものとしては、原子力機138万キロワット(浜岡5号機。2011年5月以降は定期検査のため停止)、火力機105万キロワット(橘湾(たちばなわん)火力1号機、2号機)、水力機47万キロワット(神流川(かんながわ)1号機、2号機)などとなっている。このような大電力を長距離にわたって輸送する場合は、途中のロスを極力少なくする必要があるため、発電機に接続する変圧器によって高い電圧に変換している。したがって、遠地点に建設された発電所から過密地域(需要家)までの電力輸送は500キロボルト、275キロボルトなど超高圧送電線が用いられる。
 電力系統の電流・電圧は三相交流であり、通常は一つの鉄塔に2回線が設置されるいわゆる2回線鉄塔が用いられる。とくに大電力を輸送する場合は、複数の導体を組み合わせた多導体送電線が用いられる。この多導体送電線は、とくに高い電圧系統でしばしば問題になるコロナ(部分的な放電現象で通信障害などの悪影響のもととなる)に対しても優れた性能を有する。このような大電力用送電線の輸送可能電力は、熱的な面からみて500キロボルト系統においては、1回線の場合でも1000万キロワットを超えるまでに達している。[内田直之]

変電所

変電所は、(1)発電所からの大電力を収集し、さらに過密地域へと送り出す大容量変電所、(2)比較的大きな需要家に電力を供給するための中容量変電所、(3)一般需要家に電力を供給する小容量変電所、など種々の形態がある。変電所における電力設備は、電力を送電線からいったん収集する母線、適切な電圧に変換するための変圧器、遮断器、電圧調整のためのリアクトルやコンデンサー、各種制御装置、保護リレー装置などから構成される。用地事情、環境条件の悪化などにより過密地域から離れた所に建設される変電所は屋外式が多いが、過密地域になるにしたがって縮小化や、騒音などの面で優れた屋内式、地下式が多く採用されている。このほか、(1)信頼度向上、(2)損失の軽減、(3)保守の省力化、(4)経済性などの面から、回路構成の簡素化・ユニット化、高信頼度でコンパクトな機器の採用、省力化・自動化の徹底などを推進している。[内田直之]

送電線

送電線とは、発電所と変電所の間または変電所相互間の線路をいい、小容量変電所と需要家の間は配電線という。需要家へ連接する送電線には、架空送電線の場合と地中送電線の場合がある。架空送電線は鉄塔のアームによって送電線を保持するものである。地中送電線は敷設方法として直埋式、管路式、洞道式などがある。地中送電線の種類としては、紙ケーブル(ソリッドケーブル、ガス圧ケーブル、油入りケーブル、パイプ型ケーブル)、ゴム・プラスチックケーブル(ゴム系ケーブルとしてブチルゴム、天然ゴムなど、プラスチック系ケーブルとしてCVケーブルなど)、新送電方式(管路気中送電、超伝導送電など)などに分類される。
 比較的大きな需要家への電力供給は、中容量変電所から架空送電線や地中送電線を経て送電されるが、一般需要家に対しては小容量変電所(配電用変電所と称している)から供給している。この場合の電圧は6キロボルトが多く、6キロボルト配電線と称している。超過密地域ではかなりの大電力を供給する必要があるので、20キロボルト地中送電線で供給するなど新しい方式も採用されている。[内田直之]

保護・調整

送電線は普通大電力を長距離に輸送するものであるから、停電のないように努めるとともに効率的でなければならない。送電区間には、山、川、野原などがあって、暴風雨、洪水、吹雪(ふぶき)、雷などつねに厳しい自然の脅威を受けるから、これらに十分対抗できるようにする必要がある。配電線は人家の密集している所に建設されるものであるから、安全を第一とし、都市の交通、電信、電話、ガス、水道などの施設、都市の美観などと調和のとれた形態とする必要がある。
 電力系統とは、このような送電系統、配電系統を合成したものであるが、つねに安定した状態に維持するためには、周波数、電圧、電力の流れなどをきめ細かに調整しなければならない。たとえば、周波数調整は時々刻々変化する需要家の負荷変動に対応して、全系統に広く散在する各発電機の出力を速やかに加減することとなる。朝の負荷の急上昇、昼休みの急激な負荷変化などに十分対応することはかなり困難である。この周波数は日本の場合、富士川を境にして東側は50ヘルツ、西側は60ヘルツに分かれており、これらの系統は周波数変換所(佐久間(さくま)、新信濃(しんしなの)、東清水(ひがししみず))で接続されている。また、電圧調整は変圧器のタップ、各電圧調整装置(リアクトルやコンデンサー)を適切に制御して行うこととなる。周波数調整、電圧調整とも、ほとんどの場合は自動装置で行われている。万一、送電線に事故が発生した場合は、おのおのの電力設備に設置している保護リレー装置により、事故発生の有無を速やかに(一般には0.05秒程度で)検出して、事故発生設備を電力系統から切り離すようにしている。以上のように、電力系統(送電はそのうちの中心となる)は、広い範囲にわたる電力設備をつねに一定の物理的条件のもとに維持されなければならないので、設備の計画、建設、運転、保守は全体の協調につねに留意しつつ行われている。[内田直之]

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