改訂新版 世界大百科事典 「モナルダ」の意味・わかりやすい解説
モナルダ
horsemint
Monarda
シソ科の耐寒性多年草。北アメリカ原産で約20種が知られているが,次の2種が観賞植物として多く栽培される。タイマツバナM.didyma L.(英名Oswego tea,bee balm)は北アメリカ原産で,草丈60~90cm。四稜形の茎を直立し,葉は鋭尖頭の披針形葉を対生する。8~9月ころ,茎頂とその近くの節に緋紅色唇形花を密な頭状に集め,放射状に咲かせ,そのようすが松明の燃えるようなところから和名がついた。ヤグルマハッカM.fistulosa L.(英名wild bergamot)は北アメリカ原産で,草丈1m内外。茎は鈍角形でタイマツバナに似るが,花は藤紫色,茎葉に強い芳香があって,花が矢車状につくところからこの名がある。花は7~8月に咲く。両種ともきわめて丈夫な耐寒性宿根草で,日当りや排水さえよければ土質を選ばずによく育つ。春先,株分けか種まきして繁殖させる。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報