ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モローニ」の意味・わかりやすい解説
モローニ
Moroni, Giovanni Battista
[没]1578.2.5. ベルガモ
イタリアのロンバルディアの画家。モレット・ダ・ブレシアに師事し,ベネチア派の影響も受けた。特に肖像画に優れた才能を発揮し,冷静で緻密な観察による性格描出が,厳しいリアリズムと金属的な彩賦法による堅固な技法に支えられ,この分野で多くの傑作を残した。今日モローニの作品は,ミラノはもとより,イギリスのロンドン,ドイツのベルリンやドレスデンなどヨーロッパ各地にみられ,『アントニオ・ナバジェロの肖像』(1565,ブレラ絵画館),『仕立屋』(1571頃,ロンドン・ナショナル・ギャラリー)などが名高い。宗教画の作品も少なくないが,肖像画ほどの卓越性は認められない。
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