ベルガモ(読み)べるがも(英語表記)Bergamo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ
Bergamo

イタリア北部,ロンバルディア州ベルガモ県の県都。ミラノ東北東約 45km,標高 366mのアルプス南麓に位置する。古代にはベルゴムム Bergomumと呼ばれ,オロビ人の中心地であった。前196年ローマ人が占領ランゴバルド王国(→ランゴバルド族)の首都となったのち,1329年よりミラノのビスコンチ家,1428~1797年にベネチア共和国(→ベネチア)の支配を受けた。その後フランス,オーストリアに占領され,1859年サルジニア王国に併合された。ベッキア広場を中心にベルガモ大聖堂(1483,1639再建),コレオーニ家礼拝堂(1470~76),サンタマリア・マッジョーレ聖堂(1137,14~15世紀再建)および洗礼堂(1340),パラッツォ・デラ・ラジョーネ(1538~54再建)などが立ち並ぶ丘の上の旧市街は,16~17世紀にベネチア共和国の軍事上の要塞となった。2017年,共和国の版図拡大や繁栄ぶりを伝えるものとして,イタリア,クロアチアモンテネグロの 5ヵ所の構成資産とともに国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界遺産の文化遺産に登録された。新市街には有名絵画を集めたアカデミア・カラーラがある。コメディア・デラルテ(即興喜劇),ベルガマスク舞曲)の発祥地としても知られる。交通要衝で,伝統的な織物工業のほか,セメント機械,電機工業が盛ん。人口 11万9551(2011推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ
べるがも
Bergamo

イタリア北西部、ロンバルディア州ベルガモ県の県都。人口11万0691(2001国勢調査速報値)。オロビエ・アルプス山脈の南麓(なんろく)、ミラノ北東59キロメートルに位置する。丘上の旧市街と平野部の新市街からなる。前者にはサンタ・マリア・マッジョーレ教会(12世紀)やラジョーネ宮殿(12世紀)があるが、19世紀以降、経済活動の重心後者に移った。繊維、機械、セメント、化学薬品、食品など多方面の工業活動が営まれる。絹織物には16世紀以来の伝統がある。

[堺 憲一]

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