ベルガモ(英語表記)Bergamo

デジタル大辞泉 「ベルガモ」の意味・読み・例文・類語

ベルガモ(Bergamo)

イタリア北部、ロンバルディア州の都市。オロビエアルプス山脈の南麓、ロンバルディア平野の端に位置する。丘の上にある旧市街ベルガモアルタ、19世紀に造られた新市街ベルガモバッサからなる。16世紀より伝統的な絹織物業で知られ、19世紀以降は機械、化学、食品などの諸工業が発展。旧市街には、ロンバルディア‐ルネサンスの傑作とされるコッレオーニ礼拝堂、12世紀創建のサンタマリアマッジョーレ教会をはじめとする歴史的建造物が残っている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ
Bergamo

イタリア北部,ロンバルディア州の同名県の県都。人口11万6197(2005)。ミラノの北東59km,アルプス山系とポー平原境界の丘陵地域に位置している。標高366mの丘の上にある,16世紀の城壁に囲まれた〈上の町〉と,その南東部のふもとに広がる〈下の町〉(標高244m)の二つの部分からなり,今日,経済活動は近代化の進んだ〈下の町〉に移っており,かつての中心地域であった〈上の町〉は,古い町並みと重要な建造物,教会がそのまま保存された区域となっている。エトルリア人,次いでガリア人の集落として始まったこの都市は,中世に背後の山や谷の資源と平野の生産物との交易の場として,その後,鉄,武器の生産地として発達し,自由都市となった11世紀以後には,繊維・商業・金融面で経済的な発展をみせた。14世紀にミラノのビスコンティ家の支配に入ったが,1428年にはベネチア共和国に組み入れられ,ミラノに対する軍事的拠点としての意味を担った。18世紀末にベネチアが滅亡するまで続いたその支配は,このロンバルディアの都市に多くのベネチアの影響をもたらした。またベネチアによって絹織物業が推進された。今日では繊維産業のほかに,金属,機械,化学,印刷,セメントなどさまざまな工業が立地しているが,ミラノの資本によるものも多く,反面,この地域はミラノへの通勤圏にもなっており,ミラノ経済圏との関係はますます強くなってきている。中世およびベネチア支配時代の都市の構造をそのままに残す〈上の町〉には,ベネチア風の商人,貴族の館もみられ,12世紀に建てられた市庁舎や,サンタマリア・マッジョーレ教会,華麗なファサードで有名なコレオーニ礼拝堂などがある。コメディア・デラルテと呼ばれる仮面劇はこの都市で16世紀に生まれ,また作曲家ドニゼッティの故郷でもある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ
Bergamo

イタリア北部,ロンバルディア州ベルガモ県の県都。ミラノ東北東約 45km,標高 366mのアルプス南麓に位置する。古代にはベルゴムム Bergomumと呼ばれ,オロビ人の中心地であった。前196年ローマ人が占領。ランゴバルド王国(→ランゴバルド族)の首都となったのち,1329年よりミラノのビスコンチ家,1428~1797年にベネチア共和国(→ベネチア)の支配を受けた。その後フランス,オーストリアに占領され,1859年サルジニア王国に併合された。ベッキア広場を中心にベルガモ大聖堂(1483,1639再建),コレオーニ家礼拝堂(1470~76),サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂(1137,14~15世紀再建)および洗礼堂(1340),パラッツォ・デラ・ラジョーネ(1538~54再建)などが立ち並ぶ丘の上の旧市街は,16~17世紀にベネチア共和国の軍事上の要塞となった。2017年,共和国の版図拡大や繁栄ぶりを伝えるものとして,イタリア,クロアチア,モンテネグロの 5ヵ所の構成資産とともに国際連合教育科学文化機関 UNESCOの世界遺産の文化遺産に登録された。新市街には有名絵画を集めたアカデミア・カラーラがある。コメディア・デラルテ(即興喜劇),ベルガマスク(舞曲)の発祥地としても知られる。交通の要衝で,伝統的な織物工業のほか,セメント,機械,電機工業が盛ん。人口 11万9551(2011推計)。

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百科事典マイペディア 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ

イタリア北部,ロンバルディア州の都市。アルプス山麓にあり,丘の上にある〈上の町〉とふもとの〈下の町〉に分かれる。経済活動は〈下の町〉が中心で,繊維,金属,機械などの工業が行われる。16世紀の城壁に囲まれた〈上の町〉には11世紀の教会,12世紀の市庁舎,美術学校などがある。起源はガリア人の町で,1428年から1797年までベネチアの支配下にあった。音楽家ドニゼッティの生地。11万5349人(2011)。
→関連項目クレスピ・ダッダ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルガモ」の意味・わかりやすい解説

ベルガモ
べるがも
Bergamo

イタリア北西部、ロンバルディア州ベルガモ県の県都。人口11万0691(2001国勢調査速報値)。オロビエ・アルプス山脈の南麓(なんろく)、ミラノ北東59キロメートルに位置する。丘上の旧市街と平野部の新市街からなる。前者にはサンタ・マリア・マッジョーレ教会(12世紀)やラジョーネ宮殿(12世紀)があるが、19世紀以降、経済活動の重心は後者に移った。繊維、機械、セメント、化学、薬品、食品など多方面の工業活動が営まれる。絹織物には16世紀以来の伝統がある。

[堺 憲一]

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