改訂新版 世界大百科事典 「モンゴ族」の意味・わかりやすい解説
モンゴ族 (モンゴぞく)
Mongo
アフリカ中部,コンゴ民主共和国のエクアトール州に住むバントゥー系の農耕民。言語のうえでモンゴ語系に属する部族は,ガボン,コンゴ共和国,コンゴ民主共和国の国々に広く分布し,エコンダ,ケラ,テテラ,ゴンベ族など,部族の数は11を数え,おのおの人口も10万から30万におよぶ。モンゴ族も人口は20万に達する。赤道直下の熱帯降雨林の中で,焼畑農業を行い,キャッサバ,バナナ,ヤムイモ,トウモロコシ,ラッカセイ,サツマイモ,タロイモなどの作物を栽培し,ヤギ,鶏などを飼育する。タンパク源としての動物性食料を得るため,ザイール川の小支流で漁労を,弓矢,網,各種のわなを用いて狩猟を行う。食用幼虫の採集も盛んである。村落は道路をはさんで平行に家屋が並ぶ。王国のような部族を統一する政治組織はもたず,村長やリネージの長が権威をもつにとどまった。
執筆者:赤阪 賢
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報