モン・サン・ミシェル(読み)もんさんみしぇる(英語表記)Mont-Saint-Michel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モン・サン・ミシェル」の意味・わかりやすい解説

モン・サン・ミシェル
もんさんみしぇる
Mont-Saint-Michel

フランス北西部、マンシュ県、コタンタン(ノルマンディー)半島南岸の海中にある、壮大な修道院をのせた小島で、同国最大級の観光地、巡礼地。島は遠浅のモン・サン・ミシェル湾内にあり、円錐(えんすい)形、花崗岩(かこうがん)質で、周囲900メートル、高さ約80メートル。修道院は平均海面上約150メートルの高さで、8~16世紀建築のロマネスクゴシックルネサンス各時代の様式をもつ。19世紀後半に海岸部との間が堤防で結ばれ、以来、歴史建造物に指定されたが、それ以前は一時監獄として用いられた。潮汐(ちょうせき)の差が激しく、満潮時には島周辺の露出していた海底が急速に海水に覆われ、島が海中に孤立していくようすがみられる。1979年に修道院と湾は世界遺産の文化遺産として登録された(世界文化遺産)。

[高橋伸夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モン・サン・ミシェル」の意味・わかりやすい解説

モンサンミシェル
Mont-Saint-Michel

フランス北西部,マンシュ県モンサンミシェル湾に浮かぶ小島。本土から約 1.6km離れ,周囲約 900m。岩がちの島の中央にそびえる壮麗な修道院は8世紀建設の礼拝堂起源とし,10世紀以降ロマネスク,ゴシック,ルネサンスの各時代に造営されたもの。ゴシック様式回廊は特に有名。百年戦争で要塞化された。城壁内側には 15~16世紀の家並みが残る。堤防によってノルマンディー海岸と結ばれている。付近の海域潮位の差が大きい。 1979年モンサンミシェル湾とともに世界遺産の文化遺産に登録。

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