[生]250頃.カルキス [没]330頃 新プラトン派の哲学者でシリア派の創始者。アナトリオス,ポルフュリオスに学び,のちにシリアのアパメイアに哲学学校を創設。プラトン哲学,新プラトン主義の基礎の上に,すなわち自然学,倫理学,形而上学の研究を通じて哲学と神秘学の新しい結合を企て,あらゆる宗教的儀式,神話,神々を包摂しうる総合的多神教的神学の形成を試みた。新プラトン派の宗教ではこれによって神秘的呪術的色彩が強められることになった。主著『ピタゴラスの生涯』 Peri tou Pythagorou biou。