ポルフィリオス(読み)ぽるふぃりおす(英語表記)Porphyrios

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポルフィリオス」の意味・わかりやすい解説

ポルフィリオス
ぽるふぃりおす
Porphyrios
(232ころ―305ころ)

古代ギリシアの新プラトン学派の哲学者。フェニキアテュロスの生まれ。プロティノス弟子で、師の著作『エンネアデス』を編纂(へんさん)刊行した。その膨大な著作のうち、今日に残るものは少ない。宗教的な関心が強く、キリスト教に対抗して、古代ギリシア・ローマの伝統宗教を擁護し、これを神学化し、一般人の倫理哲学とすることに努めた。アリストテレスの諸著作への注釈のうち、ことに『カテゴリー論入門』は、中世における論理学研究の教科書となった。「ポルフィリオスの樹(き)」とは類種による概念の分類体系の図式化をいう。

[加藤信朗 2015年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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