ヤークービー(その他表記)Ya`qūbī

改訂新版 世界大百科事典 「ヤークービー」の意味・わかりやすい解説

ヤークービー
Ya`qūbī
生没年:?-897

イスラムの歴史家,地理学者。アラブ系で,先祖はアッバース朝カリフのマウラー(解放奴隷)。青年期をアルメニアで過ごしたが,のちホラーサーンのターヒル朝に任官した。872年,《ヤークービーの歴史》を著したが,これは穏健なシーア派の立場からのイスラム世界史である。ターヒル朝の滅亡後エジプトに渡り,891年,さまざまの文書資料を素材として地理書《諸国記》を著した。
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関連語 花田

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤークービー」の意味・わかりやすい解説

ヤークービー
Ya`qūbī, Aḥmad ibn Abī Ya`qūb

[生]?
[没]897. フスタート
アラブの文筆家。青年時代をアルメニア,次いでホラサンでおくった。著書『ターリーフ (年代記) 』 Ta'rīkhは,第1部は中国人,トルコ族,インド人,ギリシア人その他当時の世界諸民族の略史,第2部は預言者ムハンマドの生誕から 872年にいたるイスラム世界の編年史で,シーア派のムスリムとしての彼の見解や占星術の影響などが示されている。のちエジプトに移り,『諸国誌』 Kitāb al-buldānを書いた。これは文献や旅人たちの話から資料を得た世界地理の書である。

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世界大百科事典(旧版)内のヤークービーの言及

【歴史】より

… アッバース朝の最盛期であった9世紀にイスラム教徒の歴史意識は高まり,《フダーイ・ナーマ》およびシュウービーヤ運動の影響もあって,新しい総合的歴史叙述が生み出された。その最初のものはバラーズリーの《諸国征服史》であり,引き続きヤークービー,ディーナワリー,タバリーによって世界史の年代記が著された。とくにタバリーの《預言者と諸王の歴史》は神学的歴史観によって貫かれ,その後の年代記の模範となった。…

※「ヤークービー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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