ヤーベルク(読み)やーべるく(英語表記)Karl Jaberg

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤーベルク」の意味・わかりやすい解説

ヤーベルク
Jaberg, Karl

[生]1877.4.24. ランゲンタール
[没]1958. ベルン
スイス言語学者。ベルン大学ロマンス語学教授。ロマンス語派を中心とする言語地理学,意味論,形態論の研究にすぐれた業績を上げている。主著『言語地理学』 Sprachgeographie (1908) ,『研究手段としての言語地図』 Der Sprachatlas als Forschungsinstrument (28,J.ユート共著) ,『言語の地理的諸相』 Aspects géographiques du langage (36) ,『イタリア・南スイス言語民俗地図』 Sprach-und Sachatlas Italiens und der Südschweiz (8巻,28~40,ユートと共著) ,『スイスのフランス語域の方言語彙』 Rapports du glossaire des patois de la Suisse romande (42~48,ユートと共著) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤーベルク」の意味・わかりやすい解説

ヤーベルク
やーべるく
Karl Jaberg
(1877―1958)

スイスの言語地理学者。ジリエロン弟子で、ユートJakob Jud(1882―1952)らとともにイタリア全土と南スイスで方言調査を行い、言語・民俗地図集として刊行した。さらに、言語地理学について理論的にまとめ、「単語はそれぞれ固有の歴史をもつ」ことを指摘した。単語の地理的分布から過去の変化を探るに際しては、名と物Wörter und Sachenの関係を重んじ、実物の種類や変遷をも考慮に入れた。また、方言調査資料のみに頼るのではなく、過去の文献資料をも活用して、研究の視野を広めた。単語の意味変化についてまとめた功績も大きい。

[井上史雄 2018年8月21日]

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