日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユダヤ人自治州」の意味・わかりやすい解説
ユダヤ人自治州
ゆだやじんじちしゅう
Еврейская Автономная Область/Evreyskaya Avtonomnaya Oblast'
ロシア連邦に属する自治州。ロシア連邦極東、アムール川北岸に位置し、アムール川を国境として、その南側は中国東北地方となる。面積3万6000平方キロメートル、人口20万5000(1998)。行政中心地はビロビジャンБиробиджан/Birobidzhan。人口7万7000(2003推計)。スターリンによるユダヤ人への民族抑圧の結果、1930年にユダヤ人の集団移住地としてハバロフスク地方に属するビロビジャン民族管区ができ、34年5月ユダヤ人自治州となった。ソビエト連邦崩壊に先だつ91年3月ハバロフスク地方の構成から分離した。西部および北西部は山地、南東部は低地。平均気温は1月零下26~零下21℃、7月18~21℃。年降水量は500~800ミリメートル。国土の3分の1は森林に覆われている。1989年国勢調査による民族構成は、ロシア人(17万8087、83.2%)、ウクライナ人(1万5921、7.4%)、ユダヤ人(8887、4.2%)、その他である。工業は、機械(農業機械、変圧器)、木材加工、建築資材生産、軽工業、食品加工、スズ採掘。農業は、穀物(小麦、大麦、エンバク)、大豆などの栽培、酪農、養蜂(ようほう)。狩猟、漁業も行われている。
[上野俊彦]