ロシア連邦東端,ハバロフスクの西方175kmにある都市。人口8万6700(1992)。ロシア連邦のユダヤ人自治州の州都で,この都市名をもって同自治州そのものを指すことが多い。同自治州の人口は22万0200(1991。うちユダヤ人は4%前後),面積3万6000km2。アムール川によって中国と国境を接している。ユダヤ人自治州が成立したのは1934年。1928年までユダヤ人がまったく居住していなかったこの地域がユダヤ人自治州と定められたのには,いくつかの要因がある。
古くからロシアのユダヤ人はツァーリ政府の規制措置をうけて,その大部分が西部や南西部の都市に集中し,商人,職人を生業とする者が多かった。農業入植地への移民によってユダヤ人社会の構造を変え,ユダヤ人問題の解消をはかろうとする運動はロシア革命前からあったが,革命後,入植先の領域を具体的に選定するに至った。当初はクリミア半島の一部が候補に上ったが,1927年までにこの計画は挫折し,代わってビロビジャンが有力視された。その直接の契機は満州事変に見られる東からの脅威に備える国防的配慮であり,第2次五ヵ年計画終了時までに総人口30万,ユダヤ人人口15万とする植民強化が見込まれた。しかし実際にはその実現にほど遠く,同自治州のユダヤ人人口は1948年の3万をピークに以後かえって減少し,1970年の1万1452(当時のソ連国内のユダヤ人総人口約215万1000のうちの0.5%でしかない)から,89年には8887となった。91年のソ連邦崩壊後もロシア連邦の唯一の自治州とされているが,モスクワなどの大都市や国外に移住するユダヤ人が多いといわれる。
執筆者:原 暉之
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ロシア連邦東部、ハバロフスク地方ユダヤ人自治州の州都。アムール川の支流ビラ川河畔にあり、シベリア鉄道に沿ってハバロフスクの西方175キロメートルの地点に位置する。人口7万7000(2003推計)。機械製造(農業機械、変圧器)、メリヤス、縫製、履き物、木工、食料品などの工業がある。1928年に小駅として設立され、以後発達して37年に市となった。名称はビラ川とビジャン川にちなむ。
[三上正利]
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