ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユリウス1世」の意味・わかりやすい解説
ユリウス1世
ユリウスいっせい
Julius I
[没]352.4.12.
ローマ出身の第35代教皇(在位 337~352)。聖人。正統信仰とニカイア信条の支持者の筆頭として,キリストは人間であり神性をもたないとする異端,アリウス派に対抗した。アリウス派によってアレクサンドリアの司教座から罷免され追放されたアタナシウスを,339年ローマに保護した。そののち,西方教会の司教を反アリウス派で結集しようと,342年から 343年にサルディカ(ブルガリアのソフィア)で教会会議を招集した。この教会会議で,司教座の保持の適法性を判断する権利が認められ,教会内部での教皇の権力は強化された。これをうけて,アタナシウスの地位を回復し,アリウス派からの批判に論駁した。ユリウス1世の書簡は,アタナシウスの『アリウス派反駁論』Orationes contra Arianosに収められている。祝日は 4月12日。
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