ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨッコス」の意味・わかりやすい解説
ヨッコス
Yoccoz, Jean-Christophe
フランスの数学者。力学系での研究を認められ,1994年フィールズ賞を受賞。パリのエコール・ノルマル・シュペリュール,パレゾーのエコール・ポリテクニクに学び,1985年博士号取得。その後パリ大学オルセー校の教授に就任した。1994年スイスのチューリヒで開催された国際数学者会議でフィールズ賞を受賞。ヨッコスの関心は,太陽系の安定について研究するため 20世紀初頭にかけてアンリ・ポアンカレが発展させた力学の分野にあった。その原理は生物学,化学,機械工学および生態学において,安定性を課題とする問題の解決に応用されており,ジュリア集合とマンデルブロー集合のような美学的に訴える対象もこの研究から生まれている。ヨッコスは安定性定理の妥当性について厳密な基準を確立することに力を注いだ。ジュリア集合とマンデルブロー集合を研究する手法の組み合わせは「ヨッコス・パズル」と呼ばれた。著書に "Petits diviseurs en dimension 1"(1995)など。
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