ラジウム障害(読み)ラジウムしょうがい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラジウム障害」の意味・わかりやすい解説

ラジウム障害
ラジウムしょうがい

1910~20年代のアメリカで夜光時計の文字板をつくる工員骨肉腫が多発した例が有名である。ラジウムを少量含むケイ光塗料を筆につけ,筆先をなめながら仕事をしたため,ラジウムが骨に沈着し,骨髄炎とともに骨肉腫が生じたのである。ラジウム鉱山の鉱夫肺癌が多いという報告もあり,これはラジウムが壊変して生じるラドンガスを長期間吸入したことによる。強直性脊椎炎やリウマチ治療のためにラジウムを注射した患者にも,骨肉腫が多発したという報告がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android