改訂新版 世界大百科事典 「ラムルー」の意味・わかりやすい解説
ラムルー
Charles Lamoureux
生没年:1834-99
フランスの指揮者。はじめバイオリン奏者で,パリ音楽院卒業(1854)後,オペラ座の楽員となった。富裕な婦人と結婚したのが日ごろの抱負の実現に幸いした。その実現の最も重要なものが,オペラ・コミック座,オペラ座の指揮者を歴任ののち1881年に彼の設立した〈新演奏協会Nouveau Concert〉である。これが97年に名をあらため〈ラムルー演奏協会(ラムルー管弦楽団Concert Lamoureux)〉となって,今日に及んでいる。ラムルーとその演奏協会が好んで取り上げたのは,同時代者ラロ,ダンディ,シャブリエ,ショーソンらの作品であり,とりわけR.ワーグナーの音楽だった。たとえば《ローエングリン》は1887年,《トリスタンとイゾルデ》は99年,彼らによってパリ初演が行われた。ロマン・ロランは,ラムルーの指揮が〈作品の統一についてのセンスと同時に,……細部への細かい心遣いをもっていた〉ことを称えている。
執筆者:平島 正郎
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