日本大百科全書(ニッポニカ) 「レギーン」の意味・わかりやすい解説
レギーン
れぎーん
Carl Legien
(1861―1920)
ドイツの労働組合運動指導者。1885年、社会民主党に入党、翌1886年から労働組合活動に入った。1890年、社会民主党系の組合連合組織(自由労働組合)が成立すると、その総務委員会議長に就任。労働組合を拡大し、党と並ぶ労働運動の主柱へと発展させた。同時に労働組合を中心とする改良主義の指導者ともなり、社会民主党内の路線論争では、大衆行動派、急進派と対決した。第一次世界大戦下では積極的に戦時体制に協力、戦後の革命に際しては、経営者団体と中央労働協同体を結成し、労組の地位の承認、労働条件の改善と引き換えに、革命の進展を阻止した。1920年のカップ一揆(いっき)にはゼネストで対抗、反共和派のクーデター打倒を指導した。
[木村靖二]