レトキ(読み)れとき(英語表記)Theodore Roethke

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レトキ」の意味・わかりやすい解説

レトキ
れとき
Theodore Roethke
(1908―1963)

アメリカの詩人ミシガン州のドイツ系移民の家に生まれる。ハーバード大学を終えたのち、各地の大学で教えながら詩作したが、詩人としての名声は、詩風のために比較的遅く訪れた。処女詩集『オープン・ハウス』(1941)は、幼時を過ごした生家温室を中心とする体験に基づいて、植物の成長と枯死のイメージを、鮮烈に短い叙情詩型に託したもの。『迷える息子』(1948)は、少年から大人へと成長する詩人の精神的苦悩と自己確立の問題を自伝風にたどり、「告白詩」の先駆的作品となっている。晩年、幻視的な一面を表しているところは、W・B・イェーツを思わせる。

[徳永暢三]

『石田安弘訳『セオドー・レトキ詩集』(1969・思潮社)』

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