レナード・ジョーンズ(読み)れなーどじょーんず(英語表記)John Edward Lennard-Jones

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レナード・ジョーンズ」の意味・わかりやすい解説

レナード・ジョーンズ
れなーどじょーんず
John Edward Lennard-Jones
(1894―1954)

イギリスの理論化学者、物理学者マンチェスターに近いリーで生まれる。マンチェスター大学ケンブリッジ大学に学び、ファウラーの指導を受けた。1927年ブリストル大学理論物理学教授、1932年ケンブリッジ大学の理論化学教授。1924年分子間力として有名なレナード・ジョーンズ型ポテンシャルを導入、結晶格子空間格子)の凝集エネルギーの計算、また固体表面の分子的現象の研究など物性論分野で多くの成果をあげた。1937年デボンシャーA. F. Devonshireと共同で発表した液体の細胞模型理論(格子理論)は著名である。これは、液体系で分子間の相互作用を考慮に入れて熱力学量を論じた最初の定量的理論であり、液体論の発展に重要な貢献をした。

[常盤野和男]

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改訂新版 世界大百科事典 「レナード・ジョーンズ」の意味・わかりやすい解説

レナード・ジョーンズ
John Edward Lennard-Jones
生没年:1894-1954

イギリスの物理学者,化学者。マンチェスター大学で数学を学び,第1次世界大戦から復員後,マンチェスター大学にもどり数学の講師となった。その後ケンブリッジ大学に移り,R.H.ファウラーの指導を受け,1924年に学位を取得。ファウラーとの量子統計力学の研究でも知られるが,もっとも大きな業績は,チャップマン気体理論やハイゼンベルクシュレーディンガー量子力学にもとづき,また気体や固体の特性についての実験データを分析することによって,半経験的な分子間力の法則レナード・ジョーンズポテンシャル)を提出したことである。ブリストル大学を経て,32年にはケンブリッジ大学の理論化学の教授となった。
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