日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロハス・ソリーリャ」の意味・わかりやすい解説
ロハス・ソリーリャ
ろはすそりーりゃ
Francisco de Rojas Zorrilla
(1607―1648)
スペイン黄金時代の劇作家。トレド生まれ。サラマンカ大学で学業を修めたのちマドリードへ移り宮廷作家となる。1645年、国王フェリペ4世(在位1621~65)の推挙もあって、サンティアゴ騎士団員となる。生涯に70編に上る戯曲を残しているが、作風は、軽快で楽しい喜劇的なものから、悲劇的で荘重な趣(おもむき)のものまで変化に富む。重厚で格調ある作品として『王の他(ほか)は容赦せず』(1650没後刊)がある。黄金時代演劇の主要テーマである名誉の問題を扱っており、カルデロン・デ・ラ・バルカの『サラメアの村長』を彷彿(ほうふつ)とさせる作品である。
[岩根圀和]