翻訳|World Series
アメリカ大リーグ(メジャー・リーグ)のナショナル・リーグ(ナ・リーグ)とアメリカン・リーグ(ア・リーグ)の優勝チームどうしによる「世界一決定戦」。7回戦制(1903、1919~1921年は9回戦制)で行われ、先に4勝したチームが文字どおり「世界一」となる。
1876年のナ・リーグに続いて、1901年にア・リーグがメジャー・リーグ宣言をして、二大リーグ時代となり、1903年に第1回ワールド・シリーズが開催された。翌1904年はナ・リーグが対戦を拒否したため中止となったが、1905年に両リーグが和解して再開。それ以後、野球シーズンの最後を飾る恒例行事として毎年10月に行われ、「フォール・クラシックfall classic」(秋の伝統劇)ともよばれる。幾多のドラマが生まれ、全米中の野球ファンを魅了、二度の世界大戦中も予定どおり強行し、アメリカ最大のスポーツイベントへと発展した。1994年には選手会による長期ストライキの影響で90年ぶりのシリーズ中止という異例の事態に陥り、大リーグの人気は一時低迷したが、インターリーグ(両リーグ間の交流試合)の導入や、「ワールドツアー」、外国人選手の増加といった国際戦略などによってふたたび人気を博し、ワールド・シリーズは全世界の野球ファンが注目するイベントとなっている。
[福島良一 2024年5月17日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(武田薫 スポーツライター / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…続いて,これを勝ち抜いた同リーグ2チームが7回戦制のリーグ・チャンピオンシップを戦い,リーグ・チャンピオンを決定する。最後にリーグ・チャンピオン同士で7回戦制のワールド・シリーズを戦い,ワールド・チャンピオンを決定する(図)。
[歴史]
大リーグの歴史は19世紀にさかのぼるが,現在のようなリーグ組織が整ったのは1900年以降である。…
…当時はそれぞれ8球団で,観客はナ・リーグが190万人,ア・リーグが170万人を動員し,上々のすべり出しだった。03年には両リーグ間の調停のためナショナルコミッションが生まれ,その結果各リーグの優勝チームで争う〈ワールド・シリーズ〉が開かれるようになった。第1回はア・リーグのボストン・レッドソックスが5勝3敗でナ・リーグのピッツバーグ・パイレーツを下し,ここに2メジャー・リーグ制は確立した。…
※「ワールドシリーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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