アメリカン・リーグ(読み)あめりかんりーぐ(英語表記)American League

翻訳|American League

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメリカン・リーグ」の意味・わかりやすい解説

アメリカン・リーグ
あめりかんりーぐ
American League

アメリカのプロ野球リーグ頂点にたつ、大リーグ(メジャー・リーグ)の一つ。1876年創設のナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に対抗すべく、元新聞記者のバン・ジョンソンByron Bancroft “Ban” Johnson(1865―1931)が中心となって設立された。1900年、マイナー・リーグのウェスタン・リーグをアメリカン・リーグ(ア・リーグ)と改称、翌1901年に、自らメジャー・リーグ宣言をして、その地位を主張した。当初は大都市ボルティモア、ボストンシカゴクリーブランドデトロイトミルウォーキーフィラデルフィアワシントンにそれぞれ本拠地を置く8球団で構成された。

 その後、1950年代にチームの本拠地移転などでリーグ全体の人気が高まると、1961年に大リーグ史上初の球団数拡張を行い、ワシントン・セネタース(現、テキサス・レンジャーズ)、ロサンゼルス・エンゼルス両球団が加わって10球団となった。続いて、1969年にカンザスシティ・ロイヤルズとシアトル・パイロッツ(現、ミルウォーキー・ブリュワーズ)の2球団の参加で12球団となり、同時に東西6球団ずつの地区制を採用した。さらに、1977年にトロント・ブルージェイズシアトル・マリナーズ両球団の加入で、東西7球団ずつの14球団へ拡張。1994年には地区再編成を行い、東地区5球団、中地区5球団、西地区4球団の3地区制となった。そして、1998年にブリュワーズがナ・リーグへ移り、そのかわりに新興球団のタンパベイ・デビルレイズ(現、タンパベイ・レイズ)が加入した。2013年にナ・リーグ中地区のヒューストン・アストロズが、球団売却認可に伴い、ア・リーグ西地区へ移行。ア・ナ両リーグともに15球団、各地区5球団ずつの編成となった。

 ア・リーグは、伝統的なナ・リーグに対抗すべく、いくつか斬新(ざんしん)なアイデアを打ち出し、1973年には「投手は打席に立たずに打撃専門のバッターを起用する」という指名打者制度(DH制)を採用した(ナ・リーグは2022年から正式採用)。

[福島良一 2024年5月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメリカン・リーグ」の意味・わかりやすい解説

アメリカンリーグ
American League; AL

アメリカ合衆国のプロ野球リーグの一つ。ナショナルリーグとともに大リーグを構成する。ナショナルリーグに対抗し,1893年マイナーリーグとして結成されたウェスタンリーグが前身。1900年に現名称に改称し,翌 1901年大リーグに昇格,8球団が加盟してスタートした。1903年からナショナルリーグとの間でワールドシリーズが行なわれる。1969年から 12球団編成の東西 2部制となり,1977年には 14球団となる。1994年から東地区,中地区,西地区の 3地区制に移行した。これによって,3地区のそれぞれの優勝チームと,各地区 2位チームのなかで最も勝率の高い(ワイルドカード)1チームを加えた 4チームによりプレーオフを行ない,リーグ優勝チームを決める。2013年リーグ再編により 15球団編成となった。また 2013年からはワイルドカードが 2チームに増え,1試合のワイルドカードゲームを行ない,その勝者がプレーオフに進出することになった。(→野球

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