アシナガグモ(読み)あしながぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アシナガグモ」の意味・わかりやすい解説

アシナガグモ
あしながぐも / 足長蜘蛛
[学] Tetragnatha praedonia

節足動物門クモ形綱真正クモ目アシナガグモ科に属するクモ。体も脚(あし)も細くて長く、体長15~20ミリメートルぐらいで灰褐色。網は水平円網で渓流の水面近くに張り、クモは脚を前後に伸ばして網に留まる。日本全国に広く分布している。この仲間には多くの種類があり、体全体が細く牙(きば)の基部が丸いヤサガタアシナガグモ、小形で緑色のウロコアシナガグモ、腹部の後端がとがるトガリアシナガグモなどは日本に普通にみられる。小笠原(おがさわら)諸島には脚のとげの長いトゲナガアシナガグモがいる。この仲間は上あごが長いので、外国ではナガアゴグモlong jawed spiderとよばれている。

[八木沼健夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アシナガグモ」の意味・わかりやすい解説

アシナガグモ
Tetragnatha praedonia

クモ綱クモ目アシナガグモ科。体長1~1.5cm。歩脚が著しく細長い。体は灰褐色。腹部は円筒形で細長く,前方がやや太い。水辺に水平円網を張り,歩脚を前後にまっすぐ伸ばして止る。日本全国に分布する。なおアシナガグモ科 Tetragnathidaeは属種が多いが,いずれも長い歩脚とよく発達した上顎,牙をもち交尾のとき,雌雄は牙と牙を組合せる。 (→クモ類 )

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世界大百科事典(旧版)内のアシナガグモの言及

【クモ(蜘蛛)】より

…しかし網を張らないナガイボグモ科,ササグモ科もこれに含まれる。日本にはヒメグモ科,ホラヒメグモ科,サラグモ科,センショウグモ科,ヨリメグモ科,コガネグモ科,カラカラグモ科,アシナガグモ科,ナガイボグモ科,ヒラタグモ科,ホウシグモ科,ウシオグモ科,ミズグモ科,タナグモ科,ハタケグモ科,キシダグモ科,コモリグモ科,ササグモ科など21科がいる。二爪類Dionychaは2個のつめをもつクモで,毛束のあるものが多い。…

※「アシナガグモ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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