アフマッド(英語表記)Aḥmad

改訂新版 世界大百科事典 「アフマッド」の意味・わかりやすい解説

アフマッド (阿合馬
)
Aḥmad
生没年:?-1282

中国,元初のウイグル人の財務長官。アハマとも呼ばれる。シル・ダリア河畔のフェナーケットの出身。チャビル(察必,順聖皇后)の縁でフビライに認められ,財政的手腕によって約20年間,政府の実権を掌握した。新設の財政府の制国用使司を尚書省に昇格させてその宰相となり,勢力旧来の行政府の中書省を圧した。西域の商人を抜擢して強行した北中国の戸口調査,紙幣制度の整備(中統鈔を発行して南宋の会子と兌換した)などの政策は,国家財政の安定に資した一方,中国人の反発をまねいた。王著らによって暗殺されると,姦臣とされ一族も多く処刑された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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