アフリカ非核化条約(読み)あふりかひかくかじょうやく(英語表記)Africa Nuclear-Free-Zone Treaty

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフリカ非核化条約」の意味・わかりやすい解説

アフリカ非核化条約
あふりかひかくかじょうやく
Africa Nuclear-Free-Zone Treaty

アフリカ全土と周辺海域・諸島非核兵器地帯とする条約。締約国に核兵器の開発、貯蔵配備、核廃棄物投棄を禁じ、核保有国に対しても域内での核実験、核兵器の持ち込みを全面禁止している。構想が打ち出された南アフリカ共和国の首都プレトリア郊外のペリンダバ(かつて核兵器を開発したところでもある)の地名にちなんで、ペリンダバ条約(Treaty of Pelindaba)ともよばれる。構想は1995年6月のアフリカ統一機構(OAU)首脳会議で採択、調印式は1996年4月カイロで行われた。南極、宇宙・天体、海底を除き、人間定住地域ではラテンアメリカ、南太平洋、東南アジアについで4番目の非核化条約である。

[奥野保男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ非核化条約」の意味・わかりやすい解説

アフリカ非核化条約
アフリカひかくかじょうやく
African Nuclear-Weapon-Free-Zone Treaty

アフリカ大陸および周辺地域・島嶼非核地帯とし,核の製造,貯蔵,配備,核廃棄物投棄を全面的に禁止することを規定した条約。草案作成地であり,条約の実施と監視を行うアフリカ原子力委員会 AFCONEが設置される南アフリカ共和国内の地名から,ベリンダバ条約 Treaty of Belindabaとも呼ばれる。 1996年4月にカイロで行われた調印式には,OAU加盟 53ヵ国のほか,アメリカ,イギリス,フランスが,域内での核実験,核兵器の使用と威嚇を禁止した議定書に署名した。この条約は 28ヵ国の批准により発効する。

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