アミド結合(読み)アミドケツゴウ(その他表記)amide bond

デジタル大辞泉 「アミド結合」の意味・読み・例文・類語

アミド‐けつごう〔-ケツガフ〕【アミド結合】

アミノ基カルボキシル基脱水縮合してできた化学結合酸アミド結合

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミド結合」の意味・わかりやすい解説

アミド結合
あみどけつごう
amide bond

アミドRCONH2カルボニルOと窒素原子の間の結合をいう。酸塩化物酸ハロゲン化物)、酸無水物などとアンモニア、第一級アミンまたは第二級アミンとの反応で生成し、酸あるいはアルカリの作用で加水分解する。双極イオン構造(A)の寄与があるためにアミド結合は二重結合性をもち、その分子内回転障壁(結合の回転に必要なエネルギーの高さ)は比較的高い(1モル当り約100キロジュール)。N-アルキルアミドRCONHR'にはs-トランス形(Z形)とs-シス形(E形)の2種があり、一般にZ形のほうが安定である(B)。α(アルファ)-アミノ酸が縮合したポリペプチドタンパク質でのアミド結合をとくにペプチド結合とよぶが、いずれもZ形配置をとっている。9員環以下のラクタムではE形配置が安定であるが、10員環以上ではZ形が安定配置となる。

山本 学]


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