アラスカ海流(読み)アラスカかいりゅう(英語表記)Alaska Current

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラスカ海流」の意味・わかりやすい解説

アラスカ海流
アラスカかいりゅう
Alaska Current

カナダおよびアラスカ海岸に沿いアリューシャン列島まで,北西および西に流れる海流亜寒帯海流西経 150°付近で南北に分れ,その北の分岐流がアラスカ海流。亜寒帯海流の続流であるところから低温であるが,アラスカ湾内では暖流性質をもつ。それゆえ北大西洋海流およびノルウェー海流が,北西ヨーロッパの気候を海洋性にするのと同じような影響をアラスカ沿岸に与えるが,規模は小さい。アラスカ湾内を時計の針と反対方向に環流するが,一部はアリューシャン海流となって西流する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

海の事典 「アラスカ海流」の解説

アラスカ海流

北太平洋亜寒帯循環の東縁を構成し、カナダの北西岸沿いに北上し、アラスカ湾を反時計回りに流れる海流。亜寒帯海流は北米西岸沖で2つに別れ、一部は南 流してカリフォルニア海流となるが、北流したものがアラスカ海流につながる。アラスカ湾北岸沿いに西に向かう流れの一部はアリューシャン列島の南に沿って 西流しアリューシャン海流となるが、一部は南下してアラスカ湾内に一つの循環を作ると考えられている。 (永田

出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報

百科事典マイペディア 「アラスカ海流」の意味・わかりやすい解説

アラスカ海流【アラスカかいりゅう】

北太平洋の北緯42°〜50°を東に流れる海流。カナダ沖で北に旋回し,アラスカ湾内を反時計方向に還流し,一部分ベーリング海流入。アラスカ湾内では暖流特徴を示す。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のアラスカ海流の言及

【アラスカ湾】より

…北部中央部にはプリンス・ウィリアム湾があり,その西にはケナイ半島が延び,さらにクック湾が深く食い込んでその湾奥にはアラスカ州最大の都市アンカレジがある。湾内には左回りに環流するアラスカ海流があり,北太平洋北部を反時計回りにめぐる亜寒帯環流を構成する。冬季は南よりの風が卓越するので比較的温暖で,海水温は5℃以上と高い。…

※「アラスカ海流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android