出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
セルロースとアルカリ金属水酸化物との反応生成物のことをいい、アルカリ繊維素ともいう。もっとも一般的なナトリウムセルロースは、セルロースを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬(しんし)すると得られる。その性質は、セルロースの種類、アルカリ溶液の種類や濃度、処理方法などにより異なり、アルカリセルロースの構造を簡単に決めるのは困難である。ナトリウムセルロースは、二硫化炭素との反応により製造されるビスコースレーヨンの原料として以前は用いられたが、現在ではメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、硫酸セルロースなどセルロース誘導体の合成原料として重要である。
[谷利陸平]
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一定濃度以上の水酸化ナトリウムに浸漬した際に得られるセルロース.ビスコース,セルロースエーテルなどのセルロース誘導体をつくる際にもっとも重要な前処理である.水酸化ナトリウム濃度10% 以上の水溶液で,セルロース結晶の膨潤が顕著に見られるようになり,約14% 以上でアルカリセルロースが生成する.ほかのアルカリ金属水酸化物水溶液からも得ることができる.アルカリセルロースの結晶構造は,原料セルロース,アルカリ濃度,温度などによって複雑に変化する.アルカリセルロースを水洗すると,天然セルロースのセルロース-Ⅰからセルロース-Ⅱに不可逆的に変化する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…さらに次亜塩素酸塩で漂白し,板紙の形にする。(2)アルカリセルロースの生成 90~94%のセルロースを含むシート状パルプは,17.5%の苛性ソーダ水溶液に浸漬され(マーセル化),膨潤状態のアルカリセルロースが得られる。(3)シートの切断。…
※「アルカリセルロース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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