ビスコースを酸凝固浴中に押し出してつくられる再生セルロースフィルム。パルプを水酸化ナトリウムでマルセル化してアルカリセルロースとし,次いで二硫化炭素と反応させて,セルロースキサントゲン酸ナトリウムとする。これをアルカリ希薄溶液に溶かしたものがビスコースである。このビスコースをT-ダイ(T字形の口金)から酸溶液中に押し出すと,セルロースが再生されて凝固フィルムが得られる。第2次世界大戦以前は包装用として多方面に利用されたが,戦後は他にすぐれたプラスチックフィルムが生まれたため,現在ではその吸湿性,透湿性を生かす分野で使用されているにすぎない。セロハンのおもな物性は表に示すとおりである。
執筆者:森川 正信
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[別用語参照]セルロースキサントゲン酸塩
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…和紙の原料としてコウゾ,ミツマタ,ガンピなどの靱皮(じんぴ)繊維パルプも作っているが,量はきわめて少ない。用途による分類では二つに分けられ,紙やノンウーブンのように繊維形態をとったまま利用して使う製紙パルプpaper pulpと,ビスコースレーヨン,セロハン,酢酸セルロースのように再生セルロースやセルロース誘導体を作るために使用する,セルロースの純度の高い溶解パルプdissolving pulpの二つに分けられる。溶解パルプはおもに木材や綿リンターから作られるが,竹やバガスからも作ることができる。…
※「セロハン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」