アンデレ（その他表記）Andrew

精選版 日本国語大辞典

アンデレ

1. ( André ) 十二使徒の一人。ペテロの兄弟。ガリラヤの漁夫。初めバプテスマのヨハネの教えを受け、イエスのことについて知った。伝説によれば、殉教の十字架上に、二日間も生命を保ち、最後まで伝道したという。アンドレア。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

アンデレ
Andrew

最初期キリスト教の使徒。ギリシア名Andreasは〈男らしい〉の意。イエスの十二使徒の一人で，ペテロ（シモン）の兄弟。漁師であった（《マルコによる福音書》1：16以下，3：13以下，《使徒行伝》1：13）。《ヨハネによる福音書》によれば，イエスの先駆者とされるバプテスマのヨハネのかつての弟子であったとされ（1：35，40），ベツサイダの出身であった（1：44）。同地出身のピリポとは並記されることが多い（《マルコ》3：18，《ヨハネ》1：44，12：22，《使徒行伝》1：13）。兄弟ペテロのような派手さはまったくなく，むしろイエスのもとに人を導く仲介の役をなし（《ヨハネ》1：42，12：22），5000人の饗食の際にも，人々の食事の配慮をしている（《ヨハネ》6：8）。2世紀末の外典《アンデレ行伝》によれば，十字架刑にあって殉教したとされるが，その史的信憑性は定かではない。
執筆者：青野 太潮

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

世界大百科事典（旧版）内のアンデレの言及

【使徒】より

…聖職者【青野 太潮】
［図像］
　使徒の大部分は個人的特徴を備えず，青年から壮･老年に至るさまざまなタイプに表される。しかし，ペテロ，パウロ，ヨハネ，アンデレ，イエスの兄弟ヤコブらは，多少時代，地域によって異なるが，他から区別して個性的に表現された。なかでも使徒の頭（かしら）とされる前2者は，初期キリスト教時代からペテロの白髪の巻毛と白いあごひげ，パウロのはげ上がった前額部と鋭い目つき，黒い髪とひげによって区別された。…

【セント･アンドルーズ】より

…人口1万1302(1981)。この地名は十二使徒の一人でスコットランドの守護聖人アンデレにちなむ。北海の入江，セント･アンドルーズ湾に臨み，宗教改革まではスコットランドの宗教中心であったが，現在は保養都市として知られる。…

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