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イロコイ Iroquois

翻訳|Iroquois

大辞林 第三版の解説

イロコイ【Iroquois】

北米ネーティブ-アメリカンの一部族。一六世紀以降五つの支部族からなるイロコイ連盟をつくった。母系制社会で、婚姻後は妻方居住。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イロコイ
いろこい
Iroquois

アメリカ合衆国北東部ニューヨーク州にもとは住んでいた先住民集団(アメリカ・インディアン)。現在は合衆国とカナダに分かれて住む。「イロクォイ」とするのがより正確な表記である。人口は合衆国だけで6万人以上。言語はマクロ・スー大語族に含まれるイロコイ語。イロコイという名称は、16世紀に成立した歴史上名高いイロコイ同盟に参加したセネカSeneca、ケユーガCayuga、オナンダーガOnondaga、オナイダOneida、モホークMohawkの5部族(のちにタスカローラTascaroraを加えて6部族)の総称である。イロコイ語を話す部族ではあっても、同盟と敵対したヒューロンHuronやチェロキーCherokeeはこれと区別される。
 物質文化は、北に境界を接するアルゴンキン系の狩猟民族との共通点が多いが、主生業はトウモロコシ、豆、カボチャを中心とする定着農業で、南東部及び中央部先住民文化との強い類似性を示している。農耕はもっぱら女性の仕事であり、男性は狩猟や戦争に従事していた。
 伝統的な住居は長屋(ロングハウス)であり、一つの世帯をなす母系拡大家族が住んでいた。一つの村の中には複数の母系拡大家族が集まった母系出自集団、リネージがあり、いくつもの村に分散した母系リネージが集まって、母系クラン(氏族)が形成されていた。結婚制度はクラン外婚であり、結婚した男は村を出て妻のほうに行って住んだ。
 イロコイ同盟には各部族から選ばれたセイチェムとよばれる代表者50人からなる大協議会があった。いくつかの特定のクランまたはリネージにセイチェムを選出する権利があり、女性たちが指名に際して大きな発言権をもっていた。そのほか、戦争で勲功をあげた戦士に与えられる「松の木首長」という称号があり、松の木首長たちは戦争における戦士団のリーダーであった。
 18世紀にイロコイ同盟が解体したため、カナダと合衆国の先住民居留地に分かれて住むことになったが、1800年からハンサム・レイクHandsome Lakeという予言者が、平原地帯のゴースト・ダンスと同じく、千年王国的色彩の濃いロングハウス教を唱え、大いに広まった。現在では居留地を出て、都市で働くイロコイが増加している。[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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衣笠祥雄

[生]1947.1.18. 京都プロ野球選手。京都の平安高校時代,捕手として甲子園に出場。高校卒業後,1965年広島東洋カープに入団。内野手に転向し,1970年 10月 19日の対読売ジャイアンツ (...

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