朝日日本歴史人物事典 「ウェルクマイスター」の解説
ウェルクマイスター
生年:1883.3.31
明治期に来日したチェロ奏者。明治末から昭和前期の日本の洋楽育成に大きな功績を残した。ドイツ西部のバルメン市生まれ。ベルリン高等音楽学院でハウスマン,ヨアヒム,ヴォルフに師事。卒業後,演奏・教授活動に活躍中,明治40(1907)年12月に東京音楽学校へ招聘。チェロとコントラバス,ピアノ,和声を教えた。大正10(1921)年に退官し一時帰国。再来日して昭和2(1927)年から東京高等音楽学院(国立音大)教授となり,6年から東京音楽学校講師も務めた。10年10月に音楽会場で倒れ,翌年8月渋谷の自宅で死亡。明治末の帝国劇場で管弦楽と歌劇を指導し,「胡蝶の舞」「釈迦」を作曲。山田耕筰など多くの子弟を育てた。
(増井敬二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報