ウォルフ=キシュナー還元(読み)ウォルフキシュナーかんげん(英語表記)Wolff-Kishner reduction

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ウォルフ=キシュナー還元 (ウォルフキシュナーかんげん)
Wolff-Kishner reduction

ケトンまたはアルデヒドカルボニル基をメチレン基CH2に変換する還元反応。1911年キシュナーN.Kishner,12年ウォルフL.Wolffと,ほぼ同時に2人の化学者によって見いだされた。カルボニル化合物をまずヒドラゾンに変換し(式(1)),これをアルカリの存在下で加熱すると還元生成物が得られる(式(2))。一般に,式(1)の反応により,まずヒドラゾンを単離したのちに,式(2)の反応を行うが,最近では,ヒドラゾンを単離せずにそのままアルカリで還元する方法が使われる。この簡便法は発明者にちなんでホアン=ミンロンHuang-Minlon法とも呼ばれ,汎用されている。例を式(3)に示す。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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