ウトビー(英語表記)al-`Utbī

改訂新版 世界大百科事典 「ウトビー」の意味・わかりやすい解説

ウトビー
al-`Utbī
生没年:961ころ-1036

イスラム歴史家イランレイに生まれ,サーマーン朝書記となったが,のちガズナ朝のサブクティギーンマフムードに登用され,一時バリード(駅逓局)の長官を務めた。この間多くの著書を著したが,現存するのは有名な史書《ヤミーニーの書》のみである。本書はサブクティギーンとマフムードの治世記録として貴重であるが,文体にも優れ,文学作品としても鑑賞される。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウトビー」の意味・わかりやすい解説

ウトビー
al-`Utbī, Abū Naṣr Muḥammad

[生]? レイ
[没]1035/1036
イランの歴史家。ガズニー朝スブクティギーン,マフムード,マスウードに仕えた。 999年には外交上の命を受けてグルジアにおもむき,その後カンジ・ルスタークの駅逓局長に任じられている。アラビア語による主著『ヤミーニーの書』 Kitāb al-Yamīnīはマフムード時代の歴史を書いたもので,1205/6年ペルシア語に訳されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android