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エイブラハムズ Abrahams, Peter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エイブラハムズ
Abrahams, Peter

[生]1919.3.19. 南アフリカ連邦,ヨハネスブルク近郊フレデドルプ
南アフリカ共和国の作家。フルネーム Peter Henry Abrahams。エチオピア人を父に,ケープ出身のカラードを母に,ヨハネスブルク近郊のスラムに生まれた。同地で貧しい少年時代を過ごしたが,その間に詩作を始め,ケープタウンへ移ってから小説を書き始めた。自伝的小説『自由を語れ』Tell Freedom: Memories of Africa(1954)は,人種差別社会に生きた青年期までの貧苦の生活を描いた作品である。1939年からの 2年間,汽船の火夫として働き,その後イギリスへ亡命,ジャーナリストとして活躍した。1957年にジャマイカへ移り,1959年以降は家族を連れて同地に定住し,雑誌の編集,ラジオ番組の制作に携わる。作品では一貫してアパルトヘイト反対を唱え,底辺に生きる人々の悲惨な生活を描き出している。都市への出稼ぎ民が経験する差別と疎外をテーマとし,マルクス主義的な社会分析を示す小説『町の歌』Song of City(1945),『鉱夫』Mine Boy(1946),カラード青年とアフリカーナー(→ボーア人)女性の恋愛の悲劇をテーマにした『雷の道』The Path of Thunder(1948),南アフリカ共和国の歴史と政治に取材した『野蛮な征服』Wild Conquest(1950),ガーナを舞台にエンクルマ政権時代の政治への関心を示した『ウドモに捧げる花輪』A Wreath for Udomo(1956),アフリカ,カリブ,北アメリカでの 150年に及ぶ黒人の歴史を題材にした『コヤバからの風景』The View from Coyaba(1985)など。今日ではカリブ海の作家としての地位を確立しており,西インド諸島を舞台とした作品も多い。(→アフリカ文学南アフリカ文学

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