エクメーネ(その他表記)Ökumene[ドイツ]

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改訂新版 世界大百科事典 「エクメーネ」の意味・わかりやすい解説

エクメーネ
Ökumene[ドイツ]

ギリシア語oikoumenēに由来する地理学用語。地球上で人間の常住する領域をいう。これに対して非居住領域と,一時的にしか居住しない領域をアネクメーネAnökumeneと呼ぶ。A.vonフンボルトが近代地理学に導入し,F.ラッツェルがその範囲や発展について論じているが,単なる人間の分布領域という以上に,生態学的概念として用いられている。大局的に見れば,エクメーネは,ほかの生物の場合と同じく,水の得られない砂漠,一年を通じて低温である極地方,低温であると同時に酸素が少ない高山によってその限界が決められるといってよい。生物の場合と違うのは,海洋湖沼が人間にとってはアネクメーネとなる点である。

 現在,定住人口を持つ集落の北限は,カナダのエルズミア島北東岸にあるアラート(北緯82°31′),南限は南アメリカ大陸最南端部のナバリノ島チリ)のプエルト・ウィリアムズ(南緯54°56′)である。また,世界の集落の高距限界は,チベットに近いインドのバシシ(標高5988m)である。
高山集落
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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