和郎(読み)わろ

精選版 日本国語大辞典 「和郎」の意味・読み・例文・類語

わろ【和郎】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「和郎」はあて字で、「わらわ(童)」の変化したものか )
    1. 子ども。また、召使の子ども。わろう。
      1. [初出の実例]「わろは、童子(わらは)也」(出典男重宝記(元祿六年)(1693)五)
    2. 人をののしって、または、親しみの気持をこめて呼ぶ語。やつ。野郎。対象は老若男女を問わないが、男をさしていう場合が多い。わろう。
      1. [初出の実例]「あのわろの女房衆」(出典:狂言記・六人僧(1700))
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 対称。主に男性に対して、ののしったり、親しみをこめて呼んだりするのに用いる。おまえ。あんた。わろう。
    1. [初出の実例]「わろ共は、牛のはみ物事欠かぬ様に、堤べりの草刈れ」(出典:浄瑠璃・日本振袖始(1718)三)

わろうわらう【和郎・我郎】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙わろ(和郎)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「小厠児はくそかきわらうと云心ぞ」(出典:玉塵抄(1563)七)
    2. 「鈍な和郎(ワラウ)ぢゃわいの」(出典:歌舞伎鳴神(日本古典全書所収)(1742か))
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙わろ(和郎)[ 二 ]
    1. [初出の実例]「みやつかいをしゃうにもいしゃうあらばや われにおかしゃれわろうか上のこそでを」(出典:歌謡・田植草紙(16C中‐後)朝歌三番)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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