エタノール注入療法(読み)えたのーるちゅうにゅうりょうほうぴーいーあいてぃー

家庭医学館 「エタノール注入療法」の解説

えたのーるちゅうにゅうりょうほうぴーいーあいてぃー【エタノール注入療法(PEIT)】

 がんの病巣部(びょうそうぶ)に、アルコールの一種であるエタノール(100%)を注入し、がん細胞壊死(えし)させてしまう方法です。エタノールには細胞を構成するたんぱく質を迅速(じんそく)に凝固(ぎょうこ)する化学作用があります。
 原発性肝(げんぱつせいかん)がんで、手術の不可能なケースや術後の再発防止のために考えられた治療法で、くり返し行なうことができ、外科手術で切除した場合と同じくらいの治療成績をあげています。最近では、転移性肝(てんいせいかん)がんにもこの方法が用いられています。
 エタノールの注入は、局所麻酔(ますい)をし、胸部または腹部皮膚の外から細い針を刺して、超音波やCTで肝がんの位置を確認しながら行なわれます。
 この療法を行なう条件としては、がん全体が超音波の画像でとらえられること、がんの直径が3cm以下で、病変部が3か所以内であること、コントロールのできない腹水(ふくすい)や出血傾向がないこととされています。
 また、がん細胞の壊死を完全にするために、血管塞栓術(けっかんそくせんじゅつ)(TAE(「がんの動注療法」の血管塞栓術))との集学的治療も行なわれています。

えたのーるちゅうにゅうりょうほう【エタノール注入療法】

 超音波エコーでモニターしながら、長い注射針を、皮膚を通して肝腫瘍(かんしゅよう)内に刺し、エタノールを注入して患部組織を破壊する治療法です(肝細胞がんの「治療」)。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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