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がんの動注療法 がんのどうちゅうりょうほう

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家庭医学館の解説

がんのどうちゅうりょうほう【がんの動注療法】

◎動注療法とは
 動脈は、細胞に酸素や栄養を含む血液を送っています。がん細胞も動脈から酸素と栄養を得ています。この血管に直接抗がん剤を注入するのが、動注療法です。
 抗がん剤は、経口剤(けいこうざい)や静脈注射で全身に使用された場合、目標のがん細胞に達するまでに低い濃度になってしまい、また正常細胞まで抗がん剤の毒性が影響してしまいます。ところが、がん細胞の近くの動脈血管に抗がん剤を注入すると、静脈を経由するよりも10倍濃い抗がん剤を送ることができ、その分、少ない使用量で高い効果が期待され、副作用も軽くなります。
●動注療法の方法
 X線で血管撮影をしながら、カテーテル(細い管)を太もものつけ根や鎖骨下(さこつか)などの動脈から挿入して、がん病巣の栄養血管(がんに酸素と栄養を供給している動脈)まで通し、抗がん剤を注入します。注入は定期的に行なう必要があるので、通常、カテーテルを入れたまま注入装置全体を体内に埋め込む方法が行なわれており、ふつうの生活をしながら通院して治療を受けられます。
●血管塞栓術(けっかんそくせんじゅつ)(TAE)
 血液ががん細胞に行かなくなるように、動脈内へ挿入したカテーテルから血管塞栓物質を注入して栄養血管をつまらせてしまう方法です。このため、がん細胞は栄養源を絶たれ、低酸素状態になって壊死(えし)してしまいます。
 このとき、動注療法と同様に、抗がん剤を用いることが多くなっています。
 ただし、1回の治療では完全でないので、血管塞栓物質には、くり返し治療を行なえるように、時間がたつと溶けてしまう物質が使われます。
◎どんながんに効くか
 動注療法は局所療法であり、全身に広がったがんには、ふつう用いられません。また、カテーテルを挿入できるだけの太さの栄養血管がある部位のがんが対象となります。
 動注療法が行なわれるがんは、肝(かん)がん、腎(じん)がんのほか、頭頸部(とうけいぶ)がん、骨腫瘍(こつしゅよう)、卵巣(らんそう)がん、膀胱(ぼうこう)がん、前立腺(ぜんりつせん)がん、進行した乳がんなどです。
 また、血管塞栓術は、これらのがんのうち、血管の多い臓器に用いられており、とくに原発性(げんぱつせい)肝がんの治療に広く用いられ、高い効果が認められています。

出典|小学館
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